初心者向け!重複データを削除する最も簡単な方法

2025/11/26(更新日:2025/11/28) Accessコラム

「データを見ていたら、同じレコードが何件も入っていた」
「本を1冊注文したのに、同じ本が2冊届いた」

業務システムを運用していると、
こうした“重複データ問題”に悩むケースは珍しくありません。

一見単純な作業のようですが、誤って必要なデータまで削除してしまうだけでなく、削除条件の設定ミスや、重複判定の誤りといった別のリスクがあるため、
正しい手順と考え方がとても重要です。

本記事では、Access初心者でも理解しやすいよう
重複データが発生する背景と、安全かつ簡単に削除する方法をわかりやすく解説します。

重複データが発生する背景とは?

業務システムでは、入力仕様や運用ルールが明確でない場合、
重複データが発生しやすくなります。

よくある原因は次のとおりです。

💡 重複データが起きやすい理由

・入力チェックが弱く、同じ値を何度でも登録できる
・主キーやインデックス(重複なし)が設定されていない
・取り込み処理で重複が紛れ込む
・過去の設計で「重複を許容する構造」になっている

業務システムでは、設計や運用ルールが十分でない場合、

重複データが徐々に蓄積してしまうことがあります。

重複データを削除するメリット

重複データを削除することは、単に“データを綺麗にする”作業だけではありません。

・マスタの正確性が高まる

・集計結果が正しくなる
・フォームやクエリの動作が安定する
・システム全体のパフォーマンス向上につながる

特に業務システムでは、重複データを放置すると後の機能に影響が出やすいため、
定期的なチェックが重要になります。

重複データを削除する最も簡単な方法

【Access】

Accessには「重複レコード検索ウィザード」という機能があり、
初心者でも重複データを簡単に見つけられます。

削除の流れは次の3ステップです。

① 重複データを抽出する(重複クエリ)

まずは、どのレコードが重複しているのかを確認します。

手順

1.作成 → クエリウィザード
2.「重複レコード検索ウィザード」を選択
3.対象テーブルと確認したい項目を追加し完了

これだけで重複レコードを一覧で確認できます。

②重複データを統合する作業

重複レコードを確認したら、削除の前に
必要な情報を1件にまとめる「統合」作業を行うことがあります。

例えば、同じ顧客が複数行に分かれて登録されている場合、

・住所はA行の情報が正しい
・電話番号はB行が最新
・メモ欄はC行に書かれている

といったケースがあります。

このような場合は、各行の中から正しい情報だけを拾い、1つのレコードにまとめることで、
「最新かつ正確なデータ」を作ることができます。

統合の流れは次の通りです。

1.重複検索クエリの一覧を確認
2.行ごとに「どの項目が正しいか」を見比べる
3.残す1件のレコードに、必要な情報を転記・補完する
4.統合が完了したら、不要な重複行を削除する

この統合作業を行うことで、
誤ったデータを残したり、必要な情報を消してしまうリスクを防ぐことができます。

③ 重複データを削除する(削除クエリ)

重複が確認したら、「削除クエリ」を使って不要なレコードを削除します。

ただしここが重要です👇
誤って大事なデータを削除する可能性があるため、
必ずバックアップを取ってから実行してください。

手順

1.重複検索クエリを基に新しいクエリを作成
2.クエリの種類 → 「削除」を選択
3.「残すべき行」を判定する条件を追加
 -IDが最小の1件だけ残す
 -最新日付のレコードを残す
4.実行する

削除対象が正しいか、必ず確認してから実行しましょう。

④ 上級者向け:SQLで一括削除する方法

大量データの場合は、SQLを使うと効率的に削除できます。

例えば、「氏名+電話番号」が重複している場合に
重複分をまとめて消して、1件だけ残すSQL は次のとおりです。

DELETE FROM T_顧客
WHERE ID NOT IN (
SELECT MIN(ID)
FROM T_顧客
GROUP BY 氏名, 電話番号
);

※強力な処理のため、必ずバックアップを取ってから実行してください。

【Excel】

Excelにも重複行を削除する機能があります。
「データ」タブ → 重複の削除 を選ぶだけで、重複した行を一括で消すことができます。

ただし、Excelは

・どの行を残すか細かく指定できない
・日付やIDを基準に「最新1件だけ残す」などの条件が設定できない

という特徴があります。

【Word】

Wordは文章作成に特化したソフトのため、
表データ管理や重複処理はできません。
表形式のデータ編集を行う場合は、Excelへの貼り付けがおすすめです。

重複を“発生させない”ための運用ポイント

削除よりも大事なのは、「そもそも重複が発生しない仕組みを作ること」 です。

重複防止の3つの基本
① 主キーの設定

主キーがないテーブルは、重複が発生しやすくなります。

② インデックス(重複なし)の活用

「電話番号は重複禁止」など項目単位で設定できます。

③ 入力フォームでのチェック

VBAやマクロで「既に同じデータが存在するか?」を検出する方法も有効。

まとめ

重複削除は一見むずかしく感じますが、正しい手順を踏めば安全に行えます。
Access には重複チェックや削除に役立つ標準機能が備わっているため、
初心者でも簡単に取り扱えます。

✔ 重複クエリで確認
✔ 削除クエリで安全に実行
✔ 主キーやインデックスで予防

この3ステップだけで、
データの品質は大きく向上し、業務システムの安定運用につながります。

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