売上管理システム:A社様
古いバージョンのAccessを使い続けるのが不安・・・
お客さまの概要
A社(不動産管理業)様
導入システム
売上管理システム
・主な機能:取引先情報の管理、請求・入金などの管理
・PC環境:NAS(共有フォルダとして使用)1台、クライアント3台
お客さまの課題
・Access2003は、すでにMicrosoftのサポートが終了していると聞いたので、
最新バージョンのAccessでも動くようにしてほしい。
・パソコン本体は、最近買い替えたばかりなので、
Accessだけ、新しいバージョンに入れ替えたい。
解決策:Accessバージョンアップ対応
・Accessファイルを新しいWindowsと新しいAccessでも使えるよう、
バージョンアップする対応を行います。
今回の対応内容を、具体的に紹介していきたいと思います。
Accessファイルのバージョンアップ対応
もともと使っていたAccess2003と、最新のAccess2019では、
バージョンにかなりの開きがあるため、
必要に応じて、以下のような対応を行います。
32bit/64bitの違いに対応
Access2003は、32bit版アプリでしたが、
今回入れ替えたAccess2019は、64bit版アプリです。
既存のVBAモジュールが32bit用で記述されている場合は修正が必要です。
【参考記事】
文字フォントの大きさの違いに対応
Accessのバージョンが異なると、
同じフォント・同じサイズ設定にしていても、
見た目の大きさが異なって表示されることがあります。
そのため、新旧のAccessを見比べて、
画面や帳票のレイアウトに大きな崩れが起きていないか、
確認が必要です。
一覧の表示順の違いに対応
旧バージョンと新バージョンでは、一覧(リスト型式のフォーム)の
データの並び順が変わってしまうことがあります。
これは、Accessのバージョンが新しくなり、
前回のデータの並び順が記憶されるようになつたためです。
並び順の他、フィルター条件についても違いが起きることがあります。
数値フィールドが文字切れしたときの表示の違いに対応
数値フィールドに表示されるデータの桁数がオーバーした場合、
古いAccessでは、「12345」が「2345」のように片側の文字が
欠けるのに対し、
新しいAccessでは、「####」のように、全く読めなくなることがあります。
この場合、フィールドの表示幅を広げるか、文字を小さくする対応を行います。
拡張子の違いに対応
「mdb」から「accdb」に変わる場合、VBAのプログラムソースコードや、
クエリー文字列などに、
Accessファイル名が書かれていると、そちらも変える必要があります。
Microsoft Accessを最新バージョンに入れ替え
PC本体は入れ替えず、Accessだけを入れ替え
今回のお客様は、既にWindows10のPCを使っており、
Accessだけ、古い2003を使っていました。
そのため、パソコンはそのまま使い続け、
インストールされているAccessだけ、新しいバージョンに交換したい
というご要望でした。
入れ替えるタイミングは要注意
納品の前日までに、お客さま自身で、Accessの入れ替えを済ませていただければ、
納品作業をスムーズに行うことができますが、
お客さまがAccessを使えない時間ができてしまいます。
それに万が一、納品作業に向かう途中で、事故が発生し、
納品を延期するようなことがあった場合、
お客さまがAccessを使えない期間がさらに延びてしまいます。
そのため今回は、納品当日に、新しいバージョンのAccessをインストール
していただく流れにしました。
インストールしている間は、データ移行など、
他の作業を並行して行ったので、作業に支障はありませんでした。
他の要望も合わせて対応
フロントエンドをサーバーからクライアントPCへ移動
AccessファイルをクライアントPC用と、サーバー用の2つのファイルに分けることで、
クライアント/サーバー型に近いシステムを構築することができます。
もともとお客さまが使っていたAccessファイルは、
全てサーバーに置かれていたため、
弊社で各ファイルの内容を整理し、
クライアント用(フロントエンド)と、サーバー用(バックエンド)に、
完全にファイルを分離しました。
今後、プログラムの変更したい場合は、
フロントエンドのみ変更することができ、
お客様の大切なデータが入っているバックエンドは
何も変更せずに済むというメリットもあります。
リンクテーブルの張り替えを自動化
納品時は、お客様の環境に合わせて
リンクテーブルを張り替える作業も行いますが、
今回は、Accessの規模が大きく、
100個超のリンクテーブルを貼り替える必要がありました。
手作業で行うのはかなり無理がある量です。
そのため今回は、弊社で事前に、
リンクテーブルを自動で張り替えるツールを作成しました。
これにより、
リンクテーブルは1分もかけず張り替えでき、
納品作業の時間を大幅に短縮することができました。
プリンターの印刷確認
もともとAccess2003で使用していたプリンターを、
そのまま新しいバージョンのAccessで使用します。
ほとんどの帳票が問題なく印刷できましたが、
ひとつだけ、手差し封筒の印刷がうまく出ませんでした。
印刷設定を確認したところ、
Access2003からバージョンアップした際、
出力先トレイの設定がリセットされていたことがわかり、
出力先トレイを、「トレイ1」から「手差しトレイ」に変更して、
解決しました。
納品後のサポートはリモートで対応
お客さまと弊社は、新幹線で2時間程度もの距離があります。
そのため、すぐに駆け付けることができません。
弊社では、納品後のサポートのために、
リモートコントロールソフト「islOnline」を使用して、
お客さまのPC画面を直接拝見しながら、
状況に応じて柔軟に対応することができます。
今回は納品時に、お伺いした際、
お客様のPCに、islOnlineをインストールさせていただきました。
お客様との距離が離れていも、
リモートソフトでスピーディーにサポートができ、
お互いに、時間短縮のメリットが得られます。
今後も、リモートソフトの導入を広く進めていければと思います。
大手SIerに長年常駐し大規模システムの経験を重ねプログラムスキルとDB設計を磨く。AccessおよびExcelのVBAを得意とする。
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