64bitバージョンアップの見積り費用が高額になった理由
Accessをアクセス2003の時代からお使いのお客さまから
64bitに対応するバージョンアップのお見積り依頼をいただきました。
しかし、私たちの見積り費用が想定以上に高額だったため・・・
お客さまはバージョンアップすることを一旦諦めました。
この記事では、見積り費用が高額になった理由を具体的に解説させていだだきます。
お客さまの背景と環境
現状下記のように、最新のAccess(32bit)とOS(64bit)で問題なく動いている。
不具合や機能改修のご要望は全くなく、不都合を感じていない。
<現状の環境>
Accessのバージョン:2019(32bit)または365(32bit)
OSのバージョン:Windows 10(64bit)
しかし、Accessの64bit環境では「エラーが出て動かない」ことが分かっている。
今後もAccessを使い続けたいので
「64bit環境でも動くようにしておきたい」というお客さまのご要望。
見積りが高くなった理由とは?
結論としては「Windows API」を多用されていたからです。
具体的には
Windows APIには32bit版と64bit版があり、下記のようにbitを合わせる必要があります。
Access(32bit版)では ⇒ Windows API(32bit版)を使う
Access(64bit版)では ⇒ Windows API(64bit版)を使う
そして、この「bitを合わせる作業」にけっこう手間がかかるのです。
Windows APIの使用数が「数個」であればよかったのですが、
お客さまのAccessは、Windows APIを「数十個」も使用されておりました。
数が増えれば増えるほど、手間が積みあがっていくことになり
「bit合わせる作業」×「Windows APIの数」=「見積り費用」
という計算で見積りが高額になったのです。
実際には「プログラムの書き換え」を行いますが。
「プログラムの書き換え」のほかに、
「プログラムの書き換えによる影響テスト」もセットで行う必要があります。
そのため、どうしても手間がかかってしまうのです。
※圧倒的に「プログラムの書き換えによる影響テスト」の比重が大きくなります。
こちらの記事でプログラムの書き換えを解説しておりますので、ご参考になさってください。
Accessがエラーで動かない?!64bit版が原因かもしれません
まとめ
バージョンアップ費用は、
お客さまがお使いのAccessの作り方(構造)によって左右されてしまいます。
極端な例ですが、Accessの作り方によっては
何も手を加えることなく64bit環境で動いてしまうケースもあります。
64bit対応をお考えであれば、一度ご相談ください。
Access再生プロジェクトの発起人。大手SIer→フリーランス→現在に至る。大規模基幹システムからCtoCのサイト構築まで幅広い経験を持つ。
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