効率的なAccessを諦め、代わりにExcelを使うという選択
長年Accessをお使いのお客さまで、
Accessのバージョンアップ、Windowsのアップデート、パソコンの買い替えなどによって
「Accessが動かなくなった!?」という経験をされた方は多いのではないでしょうか。
または、Accessのファイル破損によって
「ファイルが開かなくなり、データを取り出せなくなった!?」
という状況になってしまった方もいらっしゃるかと思います。
今回はそんなAccessを諦め、
代わりにExcelを使って業務を運用することに舵を切った
お客さまのケースをお伝えしたいと思います。
不動産賃貸業のお客さま
いわゆる、町の不動産屋さんです。
創業20年、約200棟の賃貸物件を管理されており、
その賃貸物件情報を創業時からAccessで管理されてきました。
店舗は創業時から変わらず、同じ場所にあり、1店舗のみ
地域の大家さんとしっかりと信頼関係ができており、
地域密着で堅実な不動産屋さんという印象です。
Accessの賃貸物件管理システムとは
2000年の創業当時、
賃貸物件管理システム(Accessで作られたMDBファイル)を
同じ業界の知人から頂いたことを切っ掛けに、Accessを使い始めたそうです。
物件管理システムの内容としては、部屋毎に紐ずく書類を管理するというもの。
1つの部屋に対して、
・マイソク
・賃貸借契約書
・重要事項説明書
・請求書
・〇〇〇書
・◇◇◇書
・・・
・・
などなど
1(部屋)対 N(複数の〇〇書)の関係になっており、
入居募集から ~ 契約 ~ 管理 ~ 退居までの
一連の業務フローに必要な書類をAccessで作成していました。
Excelに舵を切った理由
もう・・・「Accessに振り回されたくない!」
Excel = 安定 かつ シンプル
Excelはバージョンアップ、OS、パソコン買い換えなどの影響をほとんど受けません。
そして、Excelであれば誰でも経験があって操作ができる、
トラブル時の問題解決もしやすい・・・
Accessの方が圧倒的に「効率的」ですが、
「効率」よりも「安定」を選択されたのです。
まとめ
今回AccessからExcelへダウングレードされたケースは非常に稀ですが、
業務規模、オペレーション人数、担当者のスキルを考えますと、「あり」だと感じました。
我々は業務を効率化するために「システム化」「流行りの技術」へ意識が向かいがちですが、
「身の丈にあったシステム化に留める」の意識も大事だと思いました。
そのExcelですが、お客さま自身でコツコツと時間をかけ作り込みをされました。
(雛形のExcelブックがあり、その雛形をベースに1部屋ずつ)
我々はアドバイスをさせていただきましたが、作業には関わっておりません。
Excelの構成としては
1(部屋) = 1(Excelブック)
1(Excelブック)= N(書類シート)
よって、パソコン内には数百(部屋分)のExcelブックが存在します。
補足になりますが、
Excelに移行しやすかった(できた)のは・・・
Accessの使い方がシンプルで書類管理(レポート)に特化していたからだと思います。
もし、盛りだくさんの機能をAccessに追加していたら
どうなっていたか・・・
非常に勉強になる経験をさせていただきました。
Access再生プロジェクトの発起人。大手SIer→フリーランス→現在に至る。大規模基幹システムからCtoCのサイト構築まで幅広い経験を持つ。
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